性病・性感染症

性感染症とは

性感染症とは性感染症(Sexually Transmitted Disease)は、性行為によって皮膚や粘膜などを介して感染する病気の総称で、性行為にはオーラルセックスなども含みます。同じ病気でも男女で症状が全く異なるものも多く、気付きにくい症状があるため症状がかなり進行してからはじめて気付くケースが珍しくありません。放置すると不妊の原因になる可能性もありますし、母子感染で赤ちゃんが感染してしまう可能性もあります。異常を感じたら、また不安になる行為を行ってしまったら、できるだけ早く受診して検査を受けてください。

当院では男性の性感染症に対する診断・治療および女性のコンジローマ・ヘルペスの診断・治療が対応可能です。
(女性の淋菌・クラミジアの診断には内診など婦人科診察が必要なため、他院の婦人科に受診していただいております)

こんな症状があったら受診してください

下記のような症状がある場合、保険適用で診察を受けることができるため、できるだけ速やかに受診してください。

男女共通の症状

  • 外陰部のかゆみ・痛み
  • 外陰部のできもの
  • 外陰部のしこり
  • 外陰部の水泡
  • 排尿時のかゆみ

こうした行為に心当たりがあったら受診してください

下記のような行為の経験がある場合、性感染症の検査をできるだけ早く受けてください。

  • 不特定多数の相手との性行為経験がある
  • オーラルセックスやアナルセックスの経験がある

疲労がたまっていて抵抗力が落ちている、糖尿病などの慢性疾患を持っている場合、感染リスクは大きく上昇します。こうした状態で上記のような心当たりがある場合には、早めの受診が必要です。

性感染症の種類

性器クラミジア感染症

性行為(口での行為も含めて)による感染が最も多いとされている病気で、クラミジア・トラコマティスという細菌が原因で起こる感染症です。10~20代前半の方に多いという特徴があります。自覚症状に乏しいため感染に気付かずにパートナーにうつしてしまっているケースが多く注意が必要な病気です。パートナーが感染、または、奥さんが妊婦健診でクラミジア感染を指摘された結果、無症状の方が受診される方が最近増えています。男性のクラミジア性尿道炎は尿の検査で診断できます。(尿道に直接綿棒を入れて検査をすることは、当院では行いません)

梅毒

ひと昔前には日本でほとんど見られなくなった性感染症ですが、近年患者数が増加しています。梅毒トレポネーマの感染によって起こり、早期の適切な治療で完治可能ですが、放置すると症状が進行して脳神経が侵されてしまう可能性もある病気です。陰部(亀頭や包皮)に痛みの少ないのしこりができることで来院される方が多いです。足の付け根のリンパ節が腫れることもあります。しかし、時間の経過とともにこれらの症状は消えてしまい、その後、手のひらや体に発疹、頭部の脱毛などの症状が出現します。梅毒に感染しているとHIV感染のリスクが上昇するため、早期発見と適切な治療が特に重要です。治療はペニシリン系の抗生物質(アレルギーのある方は他剤)の内服を行います。

淋菌

細菌感染によって起こり、近年薬剤耐性(従来使用していた抗生物質が効かない)菌が蔓延している疾患です。1回のセックスで感染する確率が30%程度もあり、繰り返し感染するケースもあります。尿道からの黄色い排膿と排尿時の強い痛みが主な症状です。クラミジアと同様に男性の淋菌性尿道炎は尿の検査で診断できます。(尿道に直接綿棒を入れて検査をすることは、当院では行いません)

 

性器ヘルペス

男女ともに発症しますが、女性ではクラミジアに次いで多い性感染症で、単純ヘルペスウイルスに感染して発症します。自覚症状に乏しいため、感染を広げてしまう可能性が高い病気です。症状は、外陰部の水ぶくれや潰瘍があります。排尿できないほど強い痛みが起こるケースもあります。また、ヘルペスウイルスは再発を繰り返すことがあるため抗ウイルス剤の予防内服を行う方もいます。

尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因です。セックスによって感染する他に、皮膚や粘膜の傷口からの感染もあります。症状では、外陰部や肛門の周辺にできるカリフラワー状のイボです。痛みやかゆみはほとんどない場合が多く、進行するまで気付かないことがあります。目に見えるイボは冷凍凝固により取り除くことはできますが、ごく小さな病変を完全に取り除くことは難しく、再発する可能性が高い疾患です。当院では軟膏での治療もしくは液体窒素で冷凍凝固を行う治療を行います。(ともに健康保険の適応があります)
部位や治療経過によっては、液体窒素以外の治療が必要な場合があります。この場合は他の病院などを紹介することがあります。

予防や治療はパートナーと一緒に

症状がほとんどないし恥ずかしいという理由で受診が遅れるケースがよくありますが、放置すると不妊や流産、母子感染などの原因になる可能性がありますし、がんに結びつくことも考えられます。梅毒のように最終的には脳に大きなダメージを与える性感染症もあります。また性感染症にかかっているとHIV感染のリスクも上昇します。
性感染症は適切なコンドームの使用によって防ぐことが重要です。そして、もし性感染症になってしまったら、パートナーとともに適切な治療を受けることが不可欠です。性感染症は1度かかったら免疫ができるものではなく、繰り返し感染します。パートナーが治療を受けていなければ、再感染を繰り返すことになります。性感染症の診断を受けたら、必ずパートナーと一緒に治療を受けてください。

TEL:045-862-5001